「みんなの疑問①

再生可能エネルギーの今後は?」


 創エネ・省エネ研究会メンバー

   株式会社光と風の研究所 狩野 眞也氏

今回のコラムは、日ごろ一般市民から寄せられる太陽光や、再生可能エネルギー、省エネに関する疑問や質問の声に、3月と4月にかけて、簡単にわかり易く解説をします。中には私独自の解釈も有りますので、異論、反論等が有る方は、ぜひお問合せいただければと思います。まず、3月はみんなの疑問・再生可能エネルギー編です。太陽光発電に関するみんなの疑問は4月に掲載致しますのでお楽しみに!

 

Q1:なぜ日本は再生エネルギーを発展させることよりも、輸入した化石燃料にたよっているの でしょうか

A.再生可能エネルギーを発展させるには新しい技術が必要になり、その技術が成熟するまでには生産コストが高くつきます。これは電気を発電するときの発電コストに反映されてしまいます。現状の発電設備で、発電コストを考えると、輸入した化石燃料で発電した方が、コストは低く抑えられるからです。

 又、交通に関しては、車両、船舶、航空、その殆どが、いまだ内燃機関を使用しており、再生可能エネルギーを利用する受け皿が無いのが現状です。車のEV(電気自動車)化、FCV(燃料電池自動車・・・水素と水の化学反応で発電をしてその電気で走る)化が進めば。交通に関しても再エネの役割が増していくと思われます。

Q2:日本は原子力発電を止めましたが、伝統的な発電によるC02などの廃棄の排出が増えたのでしょうか

A.東日本大震災以前は、火力発電の割合は6割程度でしたが、震災後は8割まで増えています。増えた分は当然、CO2の排出も増えています。よって益々再生可能エネルギーの導入推進によるCO2削減を求められています。

Q3:日本で新しい技術が採用されないのはなぜですか

A. 現在の日本は、新しい技術や、技術の発展に関しては先端を行っていると思います。但し新技術を良い製品(低コスト化ということも重要)にまで到達していない様な気がします。つまり良い技術と良い製品とは異なるものということです。

Q4:断熱材が省エネに良いと聞いていますが、なぜみんなに知られていないのでしょうか

A. 建物に住まわれている方、使用している方が意識をしていないだけで、現在の殆どの建物で断熱材は使用されています。但し、建築関係の方たちが設計上、漠然と断熱材を使用していても、断熱材のスペックには無頓着な部分が有るかも知れません。

Q5:日本の総電力の割合は(発電方法)は今後どうなっていきますか。また、自然エネルギーはどのくらいを占める予定ですか。

A. 政権、政党によって、今現在の原発稼働に関する考えはまちまちですが、今後再生可能エネルギーを導入推進していくという立場は同じです。国のエネルギー基本計画では、2030年までに再生可能エネルギーの割合はを20%超となっています。但しこの目標を超えるも超えないも、それ以前に私たち一人一人の意識が肝要ではないでしょうか。特に発電方法以前に、我々は如何にして地球上の電力消費を最小にするかという事も重要な課題ではないでしょうか。

Q6:自然エネルギーが増えると、どのようなメリットがあるのか、詳しく教えてください。

A. まず、エネルギー源を他国に依存しないで済むという事が挙げられます。過去の歴史を振り返ると、世界の大戦はエネルギーの争奪戦とも見て取れます。又近年に入ってからも、オイルショックなど、原油産出地域の影響を、政治、経済的にこうむってきました。他国でも未だに、西欧、ロシアの間で、天然ガス供給不安などの問題が有ります。再生可能エネルギーではこれらの不安、不安定要素が無くなります。

良く、再生可能エネルギーは発電が不安定と言われますが、その問題は蓄電池や水素貯蔵など、エネルギー貯蔵の技術(蓄エネ)により解決は可能です。

それと、地球温暖化の根源が人類の工業発展によるCO2排出量増大によると言われていますが、再生可能エネルギーの導入が進み、CO2排出量が削減されると地球温暖化防止に貢献できるとも言われております。

但し、地球温暖化の要因は、CO2の排出量にはそれほど関係なく、地球の長期規模で繰り返されているサイクルだという人もいます。

Q7:海外では、どのような再生可能エネルギーが増えてきていますか。

A.太陽光・風力・バイオマス・水力、それぞれ増えています。削減してきている再生可能エネルギーは有りません。但し、適材適所という言葉のとおり、それぞれの地域に応じた再エネの種類が有ります。

Q8:建物で一番大事なのは断熱と聞きましたが、断熱の手立ては断熱材以外に何かあるのでしょうか。

A.断熱材を施工できる部分は壁、床、屋根裏などですが、逆に言うと、それ以外の部分は断熱をどの様にすれば良いのかという事に成ります。ガラス窓は一番外気の影響を室内に及ぼしやすい部分ですが、窓ガラスを二重にして中間に空気層を設けて、外気の影響を受けにくくする等の対策が重要です。場合によっては、ガラスを三重にしたり、ガラスの間を空気ではなく、より熱の通りを悪くする特殊なガスを充填させたガラス窓商品も有ります。又、ガラスの表面に特殊な金属膜を密着させて、強い日差しをカット(遮熱)するlow-Eガラスなどが有ります。ガラスの枠組み(サッシ)部分も最近は金属ではなく樹脂を使用して、断熱性を高めています。日差しをカットする遮熱ということでは、遮熱塗料というものも有り、遮熱塗料を壁や屋根などに塗装して、熱を遮断する方法も有ります。

Q9:日本のエネルギー事情で、最優先に解決すべき課題は何でしょうか。また、どのような方法で解決できると考えていますか。

A.    インフラ整備の方向性をきちんと策定し、民・官ともにそれに向かって開発を進める事ではないでしょうか。例えば、固定価格買取制度に関しても、受けるインフラが未整備の為、前出の質問に有る様に、受電要領が足りないという問題が出てきました。又、車においては、EVの時代が来るのかと思いきや、昨今は、FCVが話題になっています。車のインフラ整備としては、EV用の充電設備か、FCV用の水素ステーションかというところと思いますが、仮に今現在稼働している車両の5割が、ガソリン、軽油、LPG以外の燃料で動く様になった時には、果たして充電設備が主流になるのでしょうか、水素ステーションが主流になるのでしょうか。ちなみにEV用の充電設備に関しては、国際的な規格化をどの様にするかで、主に、EU、米国、日本で、国際規格化の競争が有りましたが、今現在は、何処が勝ったというほどの市場規模になっていないのが現状ではないでしょうか。実際に日本におけるEV用の充電設備は様々な所で見受けられますが、まだ数量的には社会実験の範囲と言えます。

余談ですが、トヨタが、FCV(燃料電池車)“ミライ”を発売しました。車両価格700万円で、補助金が300万円出るそうです(ちょっと意地悪な言い方をすると、新車に400万円も出せる人に300万円も国が補助をする・・・ということです)。この様なやり方で、本当に水素インフラが普及するのか疑問です。

私の考えとしては、まずは既存のエンジン(みなさんが乗っている普通の車のエンジン方式です)の燃料に水素を利用するという方法です。これは技術的には全く問題なく、既存のエンジンをほぼ転用する事が可能です。実際にマツダがロータリーエンジンで、BMWがレシプロエンジンで、水素燃料化の試験を繰り返していました。試験車種はも既存の車種をそのまま使用していました。つまり安価な水素燃料自動車を製造販売することは可能なはずだったのです。安価に水素燃料を使用する車が出回れば、おのずと水素の需要も高まり、水素ステーションの普及も促進されるのではないでしょうか。これと同様の例として、ブラジルにおけるバイオ燃料化が挙げられます。詳しくは書きませんが、1970年代にブラジルは国家戦略として、自動車のバイオ燃料化を成し遂げました。

Q10:蓄エネという言葉を初めて聞いたが、より詳しく教えてください。

A. エネルギーを溜め置くという意味です。電気エネルギーに関して言えば、電気は発電したと同時に流れています。よって、発電した側と、電気需要側の、その時その時の量的なバランスを保つ事が難しい訳です。しかし発電した電気を蓄電池に溜め置く事により、必要なときに必要な量だけ、安定的に電気を送る事が可能となる訳です。

必要なときに、必要なだけ、エネルギーを使用する。これが蓄エネの大きな意義です。

その他、燃料電池用のエネルギーとして水素を溜め置く水素ステーションや、太陽熱温水器の貯湯タンクも、熱エネルギーを一時的に溜めておく蓄エネ技術と言えるでしょう。

Q11:日常でできる活動で最もエネルギーが減らせそうな節約術みたいなものはありますか。

A.今、一番エネルギーを減らす(省エネ)ことで、なかなか出来ていないのが照明部分ではないでしょうか。照明をLEDに交換することにより、白熱灯の約1/10以下、蛍光灯の約1/2以下の消費電力で済みます。いままでは、導入費用がコストが高いので敬遠されがちでしたが、現在は導入コストがかかっても、23年で、コスト回収が可能な場合が多い様です。製品としての寿命もLEDは白熱灯の約40倍、蛍光灯の45倍有ります。又、LEDは白熱灯、蛍光灯に比べて、発熱の量が著しく少ない為、照明をたくさん備えている場所の冷房負荷低減にも寄与します。

夏場に簡単に省エネをするには、緑のカーテン等が有効でしょう。これは窓辺に朝顔、へちまなどのつるを伸ばして、日射を遮り、且つ、植物の水分蒸発による気化熱で、冷房作用を起こす効果が有ります。

窓ガラスが、遮熱タイプではない場合、遮熱フィルムを貼るという手も有ります。主婦の知恵的な話で良く耳にするのは、PETボトルの活用です。PETボトルに水を入れ、日当たりの良い場所に置いておくだけで、中の水が相当暖かくなります。そのPETボトルをお風呂の湯船にそのまま入れるという話をとある主婦より聞いた事が有ります。冬場はそれをそのまま、湯たんぽにするそうです。湯船の加温の補助と、水道代の節約になるそうです。節約の量はPETボトルの数と天候次第といったところでしょうか。

Q12:発電産業が最もCO2を排出すると聞きました。再生可能エネルギーがより普及して、排出量の削減ができる見通しはあるのでしょうか。

A.    前述しましたが、国のエネルギー基本計画では、2030年までに再生可能エネルギーの割合はを20%超となっています。それが実現すれば、その分は確実に削減したことに成ります。


Q13:自然エネルギーの欠点のようなものも教えてほしいです。

A.簡単に言って、導入に手間暇がかかるという事でしょう。現在は発電の方式を開発して、産業として育成し、導入コストを下げて、というような過渡期と思われます。

また、再生可能エネルギーの弱点に、天候の不安定さが有ります。太陽光にしろ、風力にしろ、地球の天候次第で、発電出来たり出来なかったりするのは確かです。しかしこれも前述しました蓄エネ技術を利用することにより、問題は解決できるものと思います。太陽のエネルギーはある意味無尽蔵ですので、太陽からのエネルギーを蓄えられるときに出来るだけ蓄え、それを必要に応じて使用するとなれば、天候の不安定さによる欠点も克服できると思います。

Q14:日本のエネルギー自給率が4%とありましたが、現実的に見てこの先何%くらいまで上げられるものなのでしょうか。

A.    現実的とはなにを持って現実とするかという問題が有りますが、一応、国のエネルギー基本計画では、2030年までに再生可能エネルギーの割合を20%超まで上げることになっています。これは国が考える現実的な目標なのでしょう。再生可能エネルギーのポテンシャルとしては、100%再生可能エネルギーにとって代わっても、余りあるものと思いますが、これは現実的ではないと大方の人は言うと思います。しかし、現実的に再生可能エネルギーだけで電力を賄っている地域は世界に多数存在します。最近では、ラオスの水力発電ポテンシャルが話題になっています。ラオスはメコン川流域の35%を保有しており、水力により発電した電気を、周辺諸国に売電するという、電力輸出国となる可能性を秘めており、これは最近よりいっそう具体的になってきました。ちなみに電力需要を100%再生可能エネルギーでまかなっている地域(ラオスもそうですが)は、結果、需要以上の発電量が有り、近隣への電力融通をしています。

それと、現実という言葉にこだわりますが、仮に世界の情勢の急変などにより、化石燃料の輸入が途絶えた場合、我々はどの様な対処が必要でしょうか。これも現実となる可能性も有り、考えておくべき問題ではないでしょうか。

Q15:エネルギーをより効率よく皆が使うためには個人で生産したほうがいいのか。コミュニティーで生産したほうがいいでしょうか。

A.    両方、バランス良く生産するのが良いのではないでしょうか。しかしこの質問は電気エネルギーに関しての質問でしょうか。再生可能エネルギーは必ずしも電気エネルギーに変換する必要は有りません。

地球表面の70%を占める海の利用は無限であり人類の夢がある。その夢を取り起こすことが協会の使命です
地球表面の70%を占める海の利用は無限であり人類の夢がある。その夢を取り起こすことが協会の使命です
NPO法人 再生可能エネルギー推進協会
REPAは「メタン発酵技術」を利用したエネルギー創出 で地域復興支援活動を展開しています
静岡県環境ビジネス情報サイト:静岡県では、ごみを減らし、環境への負荷をできる限り減らす「循環型社会」の形成に取組んでいます。
静岡県環境ビジネス情報サイト:静岡県では、ごみを減らし、環境への負荷をできる限り減らす「循環型社会」の形成に取組んでいます。
電光工業株式会社
創業60年、世界一のモータ始動器専門メーカーを目標に日々研究開発に取り組んでおります。
メリーポピンズ
株式会社メリーポピンズ        エコインテリア&リフォーム 遮影カーテン販売
株式会社ブリッジ
環境にやさしい次世代の土系舗装財 SOWAサンド
株式会社流体力学工房
流体を活用した寝具・家具、省エネルギー冷暖房システム/住宅の開発・製造・販売
NPO法人 健康・環境研究協議会
老人医療の研究、再生エネルギーの普及・啓蒙・推進により健康と環境を守るNPOです。
創エネ・省エネ研究会
Facebook